2019年03月29日
メンバーの育成方法(OJT)
21世紀に合わせた教育スタイル
■仕事の基準を見せる
現在の成熟・縮小社会では、仕事の難易度が高度化になっており、
ルーチンワークの仕事が減り、初めて対応する仕事が増えています。
その影響として、【仕事は盗んで覚えなさい理論】が
適用しにくい流れがあります。
勿論、マニュアル=仕事の基準で対応できるのは基礎的業務であり、
それ以上の仕事=付加価値を獲得する仕事にマニュアルは通用しません。
しかしこの基礎力は、成熟・縮小社会でないがしろにされている事
(目の前の業績に追われすぎて・・)も事実です。
マニュアルの受け止め方は、35歳以下は【資料】と受け止め、
ベテラン社員は【回答・虎の巻】と受け止める傾向があります。
資料と受け止める意味は、マニュアルを仕事の基準として考えているからです。
回答・虎の巻と受け止める意味は、マニュアルは仕事を盗んで
覚えられない人間が頼るものと見ているからです。
特に、35歳以下の社員が多い職場は、この傾向が強くなっています。
この35歳以下から受けてきた教育内容や種類、そしてその教え方が
飛躍的に質的向上をしており、裏を返せば、恵まれた環境で教育を
受けてきており、システム化された教育こそが真の教育との
認識が強いから、マニュアル=資料=仕事の基準となるわけです。
マニュアル=資料=仕事の基準の基本概念は、共有化です。
日本でのPC検索機能はヤフーが20年前の1996年にスタートしています。
日常生活で共有する知識を活用して育った世代からすると、
マニュアルは資料であり、基準の考えとなるのは当然。
ここに教育の2大スタンスである【教える側】と【教えられる側】の
ギャップが発生し、40代の上司が若手人材育成で苦悩するわけです。
■WHAT・HOWよりWHYが大切
仕事の実務能力アップには、次の5つの視点が重要となります。
◎仕事の意味づけ
何故、この仕事が必要かを理解させる事
◎職種としての仕事基礎力のレベルアップ
営業・製造・経理・総務等の基礎知識・技術の理解・
習得であり、読み書きそろばん
◎自社の仕事ノウハウの習得とレベルアップ
自社仕事のやり方を理解し、出来るようにする社内実務のレベルアップ
◎業績目標・部門方針を達成させる知識・技術の習得
単月・3ヶ月先に対する具体策の実践強化
◎現場で育てるOJT
現場で仕事を出来るように鍛える方法
現在問題になっているテーマは、仕事の意味づけが出来ていない事による
現場での混乱です。仕事の意味づけとは、何故この仕事が必要かを
理解させる事です。つまり、現場での業務内容に対し、
・なぜ、この業務が必要なのか?
・この業務を身につけると次にどのような仕事が出来るようになるのか?
・この仕事がもたらす満足度・喜び・達成感は?
この3点をリーダーが社員に説明し、その価値観を理解させる事です。
仕事を教える時は【何をするのか?どのようにするのか?】より
【何故、それをするのか?】を教えないから、社員は1人立ちしにくい。
『あの社員は指示通りにしか動かない』とよく聞く。
この本質テーマはWHYを知らないから起こる現象。やるべき事を決めても、
日々の仕事の状況は変化する。その仕事の目的を理解しないから、
変化した時の対応力が弱くなり、指示を待つスタイルの仕事になる。
これはリーダーが仕事の意味づけを行っていないから起こる。
いくらWHAT・HOWのマニュアルを作っても、
WHYがないからレベルアップできない。